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【自分年金】看護師にiDeCoは必要か?貯金や投資との違いから見るメリット・デメリット

urakanngosichou

皆さんこんにちは

裏看護師長です。

今回は、個人年金+節税の効果がある「iDeCo」という制度は看護師にとって必要なのか?ということについて解説していきます。

皆さんiDeCo(イデコ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

iDeCoとは、公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金制度の1つです。
公的年金と異なり、加入は任意となります。 加入の申込、掛金の拠出、掛金の運用の全てをご自身で行い、 掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができます。
国民年金や厚生年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送るための一助となります。

iDeCoの概要 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

簡単に言えば「自分年金」といった所でしょうか?

2017年の法改正によってiDeCoを利用できる人の範囲が広がり、2020年12月時点で170万人以上が利用しているもはや少子高齢化社会の中では投資と並んでスタンダードとなってきている個人年金制度なのです。

私自身は看護師で、老後は国民年金+厚生年金分の年金をもらう事ができるのでそれに加えて個人年金が必要なのか?という疑問があったですが、実際に調べて、経験者に聞いてみた結果、

投資をしないのであればiDeCo+貯金で老後に備えるべき!

という結論に辿り着きました。

この結論にたどり着くまでに学んだiDeCoメリットやデメリットについて皆さんに共有していきたいと思いますので10分ほどお時間をいただけたらと思います。

iDeCoのメリット

早速ですが、ここからはiDeCoのメリットについて解説していきます。

メリットは大きく下記の4つになります。

  • 老後の年金問題の解決策となり得る
  • 自分年金が所得としてカウントされない
  • 運用益に課税されない
  • 看護師であれば無理せず継続できる

iDeCoはメリットとデメリットがはっきりしているので、人によってはおすすめできるし、人によってはしなくてもいいんじゃない?と分かれる制度です。

では看護師にとってはどうなのか?

そんな視点を織り交ぜながらiDeCoの両側面を解説してきます。

老後の年金問題の解決策となり得る

iDeCo(個人型確定拠出年金)はその名の通り「自分年金」です。

超高齢化社会で今後も加速度をまして高齢化が進むことが予想されている現代日本において、もはや年金制度は損をする制度でしかなくなってきています。

ご存じの方も多いと思いますが、私たちが今収めている年金は今の高齢者の年金に充てられています。つまり、私達が高齢者となったときにはその時代の若者が納めている年金を受給するわけですが、その若者の数は今よりも格段に減ると予想されています。当然ながら私たちを支えられるだけの財源を確保できませんから、受給できる年金は確実に少なることが分かりますよね?

私達看護師は国民年金+厚生年金の2つの柱はあるものの、それだけでお金の心配なく、安心して暮らしていけるかと言われると難しい時代になってきているのです。

そんな状況になるのが目に見えているからこそ、国としてiDeCoという制度を作ったのです。

なので、看護師がお金の心配なく老後を送るためには

  • 国民年金+厚生年金+iDeCo+貯金
  • 国民年金+厚生年金+投資の配当金

この2パターンのどちらかを実現させなければ実現不可能な段階まで来ているのです。

自分年金が所得としてカウントされない

iDeCoが170万人もの人に利用されているのは理由があります。

それは2つの大きな節税効果があるからです。
1つはこの後説明しますが、その内の1つとして「iDeCoへの積立金は所得としてカウントされない」という点が挙げられます。ピンと来ないかもしれませんが、これはかなり大きな節税効果があります。

所得税という言葉は聞いたことがあると思いますが、例えば、

  • 20万円の所得がある → 20万円に対する税金が所得税としてかかる

のですが、iDeCoを利用した場合は

  • 20万円の所得がある → 2万円をiDeCoで積み立てている → 18万円に対する税金が所得税としてかかる

というように、iDeCoへの積立金は所得としてカウントされないため、その分の税金がかからないのです。これを何十年も続ければその節税額はかなり大きなものとなり、知っている人と知らない人とでは後の資産に大きな差が生まれてしまいます。

具体的な数字を出してみると、看護師の限度額である23,000円/月を毎月満額iDeCoで積み立てたとすると、年間で約5万5800円の節税になります。この数字を見てしまうと、iDeCoのことが頭から離れなくなってしまします…

運用益に課税されない

iDeCoは金融商品を長期間保有するという形で運用していきます。

具体的に言うと、定期預金のような商品もあれば、制限はあるものの株式や投資信託のような投資商品を持つこともできます。

そしてiDeCoを利用する多くの人が投資信託で資産運用しています。

それは当然と言えば当然で、iDeCoの節税効果のもう一つとして、iDeCo内で運用している商品の利益には税金がかからないというものがあります。

通常、株式や投資信託で得た利益はNISAや積立NISAを利用しない限り20%程度の税金がかかってしまい、上手く利益を出せてもその額を減らされてしまいます。ですが、iDeCo内であればその20%の税金を無視しながら運用できるので、かなりの節税効果を得られます。

定期預金のような商品でももちろん問題なく、むしろ、リスクを全くとりたくないというスタンスであれば選択として間違ってはいないのですが、iDeCoが持つ節税効果を最大限に発揮することができないのです。

逆に、優良な株式や投資信託といった商品を長期間持つことができればその節税効果は計り知れず、あなたの老後を確実に豊かにしてくれます。

看護師であれば無理なく継続できる

実はiDeCoには、受け取る予定の年金制度によって毎月積み立てられる限度額があります。

1.自営業者等…68,000円/月

2.厚生年金保険の被保険者のうち

〔1〕厚生年金基金等の確定給付型の年金を実施している場合…12,000円/月 

〔2〕企業型年金のみを実施している場合…20,000円/月

〔3〕企業型年金や厚生年金基金等の確定給付型の年金を実施していない場合…23,000円/月 

〔4〕公務員、私学共済制度の加入者…12,000円/月

3.専業主婦(夫)等…23,000円/月

iDeCoの概要 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

上記表のうち、看護師は2-3の「企業型年金や厚生年金基金等の確定給付型の年金を実施していない場合」に当たります。なので、月に積み立てられる金額は最大で23,000円と決まっているのです。

この金額をみてどう感じたでしょうか?

先ほどまでは投資という話が出てきたりして少し難しそうだなと感じていたあなたも、このぐらいの金額ならと思われたのではないでしょうか?

私も一緒で、iDeCoの節税効果を考えれば、全額iDeCoで投資しちゃえばいいじゃん!と思ったのですが国も流石にそこまではサービスしてくれないようです。

話が少しそれましたが、看護師にとって月に23,000円であれば積み立てられない金額ではなく、無理せず継続することができます。

むしろ、看護師の給料でこの金額を捻出できないのであれば早急に自分のお金について見直した方がいいです!毎月の家賃や水道光熱費、通信料金、サブスク、車のローンや保険、食費、娯楽費などなど切り詰められるところは沢山あります。生活費の見直しについては下記の記事にて確認して欲しいのですが、これらで捻出した23,000円をiDeCoに回すことは、老後のお金の心配を大きく減らすことができます。

そして、iDeCoの節税効果を最大限受けるためには限度額いっぱいを優良な株式や投資信託の購入に回すことを忘れないようにしましょう。

https://urakanngosichou.com/2021/03/10/%e3%80%90%e7%b4%8410%e5%b9%b4%e3%81%a71000%e4%b8%87%e5%86%86%e3%80%91%e7%9c%8b%e8%ad%b7%e5%b8%ab%e3%81%af%e9%87%91%e9%8a%ad%e6%84%9f%e8%a6%9a%e3%82%92%e6%88%bb%e3%81%99%e3%81%a0%e3%81%91%e3%81%a7/

iDeCoのデメリット

ここからはiDeCoのデメリットについて解説していきます。

メリットだけ見るとやるべきじゃん!と思われる方もいるかもしれませんが、先ほども言った通り、iDeCoはメリットとデメリットがはっきりしています。

具体的には下記の3つで、

  • 60歳まで引き出すことができない
  • あくまでも投資の一面があるため、損することもある
  • 引き出し方を失敗すると結局税金を支払う事になる

などがあるのですが、これらの側面を見ないでiDeCoを始めてしまうと最終的に損してしまう可能性も出てきます。

自分の資産運用にiDeCoは必要か?

それを、このデメリットを見た後に考えてみて下さい。

60歳まで引き出すことができない

個人的にiDeCoの一番のデメリットだと思っているのですが、iDeCoに積み立てたお金は特別な条件を満たさないかぎり60歳まで引き出すことができません。

これはiDeCoが年金の性質を持っているためしょうがないのですが、自分の資産なのに手を付けられないという期間が長すぎるのです。この特徴は、手が届く範囲にお金があれば浪費してしまう浪費家にとっては逆にメリットなのかもしれませんが、しっかりとお金の管理をできる人にとっては大きなデメリットのように感じます。

20代にとっての100万円と60代にとっての100万円では同じ金額でも価値が大きく違います。少なくても私は、20代の100万円を大事に使っていきたいタイプなのでiDeCoには向いていない性格です。

私と同じような性格をお持ちの方にはiDeCoは選択肢として除外し、NISAや積み立てNISAで株式・投資信託を運用すべきですし、浪費家の方はあえて手の届かない安全なところにお金を入れてしまうというのはありだと思います。

あくまでも投資の一面があるため、損することもある

先程も少しお話ししましたが、iDeCoは少額とは言え、株式や投資信託で資産運用をしていこうとした場合、投資の側面を忘れてはいけません。

長期間の保有+積立投資は、過去のデータから見ると失敗しようのない投資方法ではあるのですが、今回のコロナショックのような世界規模の緊急事態が頻発するとその定説も崩れる可能性があります。

なので、優良な投資商品を購入しているからと言って、60歳以降で取り出すときに必ず資産が増えているかというとそうではない可能性もあり、むしろ減っている可能性もあるという事も頭に入れておかなければなりません。

引き出し方を失敗すると結局税金を支払う事になる

これはまだまだ先の話ですが、60歳以降で今まで積み立ててきた資金を取り出そうとしたときにかかる税金の話です。

iDeCoの取り出し方は2種類あり

  • 毎年一定額を取り出す
  • 1回で全額取り出す

という方法があります。このどちらの取り出し方をするにしても税金がかかってしまうのですが、取り出し方を工夫しないと今までせっかく節税してきていたのに、それと同等の税金を支払ってしまうという可能性があります。

その方法は少し複雑で、絶対に間違って欲しくないので、後日別記事にて解説していきたいと思っています。

まだ先の話ではありますが、iDeCoをやるのであれば最後の出口までも考える必要があり、その出口にもトラップがあるという事だけは覚えておいてください。

看護師にiDeCoは必要か?

ここまで読んであなたの気持ちは決まりましたでしょうか?
中々判断が難しいですよね…

なのでここでは私なりの結論をはっきりと提示してあなたの背中を後押ししていきたいと思います。

当ブログ看護師のマネーゲームは看護師の資産運用について発信しているブログです。なので、当ブログをご覧のあなたには確実に何らかの資産運用を始めてほしいと思っています。それを加味して考えると冒頭でも言ったのですが大きく2通り。

  • iDeCo+貯金
  • NISA口座を使った投資信託・ETFへの投資

このどちらかを選択して欲しいと思っています。

なので結論としては、投資をしないならiDeCoはするべき!という結論になります。

逆に言うのであれば、iDeCoをしないのであれば投資をすべき!という事になります。

iDeCoの始め方【画像付き】

よし!私はiDeCoにする!

と決めた方に向けて、ここからはiDeCoで失敗しないためのお役立ち情報を提供していきます。

先ずはiDeCoの始め方ですね。
そもそもどうやって始めるの?という疑問があると思うので順を追って解説していきます。

具体的なステップは簡単2ステップ。

  • 証券口座の開設
  • 証券口座内にiDeCo口座の開設

これだけです。

自分に合った証券口座を選んだらその口座を開設します。

私の場合はSBI証券を使っているのでSBI証券を例に解説していくと、証券口座を開設するとどの口座もこのようにiDeCo口座開設の案内があるはずです。そこから入ってiDeCo口座を開設するだけです。簡単ですよね?
たったそれだけで、これから何十年と付き合う口座を開設することができるのです。

おすすめの口座と商品

実はいざやってみようと思うと最初につまずくポイントがあります。

それは、どの証券口座が自分に合っているのか?どの投資商品で運用していけばいいのか?という事です。

非常に重要なポイントではあるのですが、こんなところで躓いていては先が思いやられてしまうので資産運用初心者看護師にとってベストな選択ができるよう具体名を出しながらサポートしていきます。

おすすめ口座

基本的には「楽天証券」か、私も使っているSBI証券を選んでもらえれば間違いないのですが、看護師が開設するのであれば「SBI証券」をおすすめします。

その理由について説明するとかなり長くなってしまうので下記記事にて確認して欲しいのですが、

  • 手数料が格安
  • 投資情報が豊富
  • 取引の画面が使いやすい
  • 口座開設が無料

に加えて、海外ETF(投資信託の一種)の自動買い付けができるという点でおススメしています。

そもそもが信頼できる証券口座であるのに加えて、iDeCoの口座開設数は業界ナンバーワンと資産運用をしている投資初心者からの信頼はかなり厚いです。楽天ポイントで投資をしたい!などのこだわりがないのであればSBI証券一択で問題ないでしょう。

https://urakanngosichou.com/2021/04/28/%e7%9c%8b%e8%ad%b7%e5%b8%ab%e3%81%8c%e9%96%8b%e8%a8%ad%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%aa%e3%82%89nisa%ef%bc%9f%e7%a9%8d%e3%81%bf%e7%ab%8b%e3%81%a6nisa%ef%bc%9f%e3%81%8a%e3%81%99%e3%81%99%e3%82%81%e3%81%ae/

おすすめ商品

iDeCoでの資産運用は大きく分けて2つの運用方法があります。

  • 定期預金タイプ
  • 投資信託タイプ

どちらも良いところがあるのですが、裏看護師長的には圧倒的に「投資信託タイプ」をおすすめします。理由としては、掛け金が減ってしまうリスクはゼロではありませんが、長期目線で見ると「インデックス」というものに連動したファンド(投資信託)への投資は過去の成績から見るとほとんど失敗しないと言えるからです。

そしてそのインデックスファンドの中でも特におすすめなのが

VTもしくはVTIというファンドです!

この二つは、アメリカの株式を中心に構成された投資信託なのですが、リスク分散が幅広く、「S&P500」という最強のインデックスに連動しているので、右肩あがりで資産運用できる可能性が非常に高いです。

投資なんかしたことなくてどれを買ったらいいか分からない…

という方は、何の迷いもなくVTもしくはVTIで資産運用していきましょう。かなり高い確率であなたの老後の資産を守ってくれる。どころか増やしてくれるはずです。

また、少し投資の知識があり、アメリカの株式だけに頼るのは少しリスクだなと感じる鋭い方は「全世界株式」に投資できる「eMAXIS Slim全世界株式」というファンドもおすすめなので検討してみてください。

https://urakanngosichou.com/2021/03/26/%e7%9c%8b%e8%ad%b7%e5%b8%ab%e3%81%8c%e3%81%99%e3%81%b9%e3%81%8d%e6%8a%95%e8%b3%87%e3%81%af%e6%a0%aa%e3%81%a7%e3%82%82%e4%b8%8d%e5%8b%95%e7%94%a3%e3%81%a7%e3%82%82%e3%81%aa%e3%81%8f%e6%8a%95%e8%b3%87/

まとめ

いかがでしたでしょうか?
看護師にとってのiDeCoの立ち位置について何となくでも理解できましたでしょうか?

メリット・デメリットがはっきりしているので全看護師に対しておすすめできる制度ではありませんが、まだ資産運用をしておらず、投資に対して難しいイメージを取り払えない方にとってはiDeCoはちょうど良いツールとなるのではないでしょうか?

また、節税という点でもかなり強い制度で、ふるさと納税と同時に行う事で、何も考えず生活している場合と比較して6万円(ふるさと納税)+5万5800円(iDeCo)=11万5800円も節税できるという事実もあります。知らないというのは本当に怖い…

自分のお金を守る手段としても、iDeCoは活躍しそうですね。

https://urakanngosichou.com/2021/05/14/%e3%80%906%e4%b8%87%e5%86%86%e3%81%ae%e7%af%80%e7%a8%8e%e3%80%91%e7%9c%8b%e8%ad%b7%e5%b8%ab%e3%81%8c%e3%81%b5%e3%82%8b%e3%81%95%e3%81%a8%e7%b4%8d%e7%a8%8e%e3%82%92%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%a1%e3%83%aa/

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実習指導者ニャース
実習指導者ニャース
現役看護師/投資家/起業家
消化器外科・整形外科・内科の混合病棟にて3年半働き、その後IT系の事業を立ち上げ起業しながら、派遣ナースとして全国を渡り歩いている。貯金や投資にも積極的に取り組んでおり、もっと多くの看護師のマネーリテラシーを高めて幸せになってもらうべく、当ブログ「お金の看護学校」を運営している。
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