看護師は奨学金返済前に転職するな!辞める時期で損しない考え方
皆さんこんにちは
裏看護師長です
今回は、経験年数1~3年目で転職を考えているあなたの悩みのひとつである、
「奨学金は返済してから転職したほうがいいのか?」という問題について深堀りしていきたいと思います。
日常の業務が辛く、奨学金完済を目前に転職を考えているあなた。
気持ちは痛いほど分かりますが、もう少しだけ頑張ってみませんか?
私自身も地方の病院で勤務しており、厳しい労働環境で奨学金返済前に転職を考えたことがあります。
ですが、奨学金を借りている看護師は転職時期によっては大きく損をする場合があります。
逆に奨学金を払い終えてから転職することで以下のメリットがあります。
- 金銭的側面
- 経験年数的側面
- 転職理由として最適
- 看護師としての一つの区切り
奨学金の返済前と後では、様々な面で月とすっぽんほどの違いがあります。
あなたはどっちになりそうですか?
今すぐ辞めたい気持ちは痛いほどわかる!
でもそこをこらえるだけのメリットは必ずある‼
看護師のほとんどは奨学金を借りている
看護師になる人の多くは病院に付属している専門学校もしくは、看護大学や総合大学の看護学部を出て国家試験を受験し合格するという道がスタンダードです。
ですが、専門学校にしろ大学にしろ私立という側面が強く学費が高いのが現実です。
そのため奨学金を借りられる人がほとんどで私自身もそうでしたし、本記事をご覧のあなたもそのうちの一人だと思います。
なので最初の段落では、看護系の奨学金の種類や返済方法などについて簡単に解説していきたいと思います。
期間は3年~4年が大半
看護系の奨学金を借りている看護師の返済期間は3年もしくは4年というのが大半です。
その理由としては、貸した年数分の対価として、その地域や病院で働いてくださいという「お礼奉公」のスタイルが主流だからです。
学校の在学期間は看護学校であれば3年、看護大学であれば4年ですから、その期間が返済にあたる年数となります。
このお礼奉公スタイルの奨学金は正式に言うと「病院奨学金制度」と言います。
病院奨学金制度は他の奨学金と違い、「実際にはお金を返さなくてもいい」という大きなメリットがあります。
病院奨学金制度を採用している病院は多く、その額もかなり高く設定されていることが多いです。
→病院奨学金制度ってなに?| 【看護医療進学ネット】 (ishin.jp)
確かに、その地域や病院に3~4年縛られるという点では息苦しさを感じるかもしれませんが、働いているだけで実際には金額が動かない上に、その分の給料が天引きされるというわけでもありません。
つまり、借りた諸学金分は丸々「貰った」とも言い換えることができるのです。
私は田舎の病院だったので年120×4年=「480万円」もの奨学金をお礼奉公で返しました
4年以上の人もいる
今紹介した奨学金だけでは学費を賄うことができない人は他の奨学金を併用する場合もあります。
そうなると返済期間は4年を超え6年~8年となる人もいます。
この追加分の奨学金にはいろいろな種類があり、町や市から借りる奨学金、看護協会から借りる奨学金などが挙げられます。
返済方法も様々で、その地域で働けば返さなくてもいいというお礼奉公方式のものもあれば、金利はなしで長期返済をさせてくれる奨学金もあります。
家庭の経済状況によって借り方や返し方は変わってくると思いますが、4年以上の返済期間がある看護師も一定数いるのは事実です。
奨学金を返済する前に辞めてはいけない3つの理由
ではなぜ、奨学金を返済する前に辞めてはいけないのでしょうか?
それは、以下の3つの理由があるからです。
- 払う必要のないお金を払う必要が出てくる
- 時期によっては借りた額より多く返済する事になる
- 転職時に悪い印象を持たれる可能性がある
どれも、看護師を辞めた後に響く内容なので知らずに辞めると後悔してしまいます。
そうならないためにも、事前に「辞めてはいけない理由」を確認しておきましょう。
払う必要のないお金を払う必要が出てくる
奨学金を完済する前に退職すると、本来は払う必要のなかったお金の返済の義務が発生してきます。
というのも、病院奨学金制度は3年間働いてくれるなら3年分のお金を出しますよという条件でお金を貸してくれます。
そのため、3年を経過する前に退職するとその条件が満たされなくなるので奨学金返済の義務が生じるようになっているのです。
時期によっては借りた額より多く返済することになる
病院奨学金制度は、辞める時期によっては借りた額よりも多くの金額を返済しなければいけない可能性が出てきます。
各病院の契約形態によるのですが、多くの病院が取り入れているのは1年契約です。
1年契約とは、1年間働ききって始めて1年分の奨学金返済として認めらえるというものです。
一見普通に聞こえるかもしれませんが、この制度の落とし穴は年度の途中で辞めるとその1年働いたとみなされないことです。
つまり、3年間奨学金を借りていた人が2年6か月で辞めたとすると、2年分しか働いたとカウントされないので残り1年分の返済を求められる場合があります。
6か月働いたのにですよ!?
実際にお金が動くわけではありませんが、6か月分の労働が返済に当たらないとすると、6か月分の奨学金を追加で払うという形になってしまいます…
これが6か月ならまだ納得できるかもしれませんが、11か月だったら…
恐ろしい…
頑張って働いたのになかったことになるなんて…
そんなもったいないことはして欲しくない!
転職時に悪い印象を持たれる可能性がある
やはり、1~2年で辞めたり、年度の途中で辞めたりした経緯があると必ずそこを突っ込まれます。
採用する側として考えたときに、この子は根性がない子なのかな?周りとうまくやれない子なのかな?と疑問を持つのは当然のことです。
そこで、適当な返しができれば問題ないのですが、イメージを下げてしまうようなマイナス発言をしてしまったときには一気に不採用に近づきます。
あくまでも可能性の話ですが、それなりのリスクを負っているという事だけは頭に入れておきましょう。
これを知らずに辞めて面接でぼろくそ言われていた後輩がいました…
皆さんは二の舞にならないように…
返済してから転職したほうがいい4つの理由
奨学金を借りている看護師が転職を考える際に、
「奨学金を返済してから転職をした方がいいのか?」
という疑問はつきものですが、この問いに対する明確な答えは、
奨学金は返済してから転職すべき!
その理由として挙げられるのが以下の4つです。
- 金銭的にお得
- 人間関係・労働環境の好転
- 看護師としての一つの区切り
- 転職理由として最適
ここからはこの4つの理由それぞれを深堀りし、あなたの悩みを少しでも解消できたらと思います。
金銭的メリットが大きい
先ほども少しお話しましたが、奨学金を返済してからの転職で一番大きいメリットは「金銭面」です。
特にお礼奉公方式の奨学金を借りている看護師は、決められた期間決められた場所での仕事を全うすることで奨学金がチャラになります。
逆に、返済期間が終わる前に転職をする場合は払う必要のなかった金額が突然出費として出ていきます。
借りていた金額だけが消えていくのであればまだいいのかもしれませんが、その残債を支払うお金はどこから捻出しますか?自分の給料ですよね?
返済してからの転職はこちらの手出しはゼロなのですが、返済しないでの転職は
- 払う必要のなかった奨学金の残債+残債を支払うための毎月の貯金・給料
という計算になるので、60万円の残債を支払うだけでも実際には120万円のマイナスになるのです。
この点だけ見ても、奨学金を返済しきってからの転職を選択する方が賢いと言えます。
返済前の転職は、「残債の出現+手出しの必要性」で金銭的に圧倒的不利!特別な理由がない限りは返済後の転職がベストな選択!!
人間関係・労働環境の好転
奨学金返済をしてから転職をすべき理由の2つ目は、
経験年数を積めば積むほど人間関係や労働環境が好転する可能性が高まるからです。
人によって年数が違いますが、3~4年目というのは夜間受け持ちや日勤帯のリーダーを取り始める病院も少なくなく、新卒や2年目の時には感じることのない達成感ややりがいを感じることが多くなってきます。
私自身も、自分のアセスメントから先生に提案したことがそのまま患者さんのケアに繋がったり、メンバーからの報告を受け患者さんのために自分のチームを動かしていくことが非常に楽しいと感じる様になりました。
このような労働環境の変化に加えて、今転職を考えている私たちのように先輩方も転職を考えていることも多いです。
そしてもし、その中の一人に自分の嫌いな先輩が居たら?
その先輩との人間関係が原因で転職を考えているのであれば、その人がいなくなった時点でその職場を離れるメリットが小さくなってしまいますよね?
実は辛い1~2年目を乗り越えると、意外と楽しい職場環境が待っていたりするんですよね。
別記事にて解説しているのですが、同じ職場で働き続けることにはかなり大きなメリットがあります。
そのため、自分が辞めるぎりぎりまで状況が好転しないかを見極めて、自分が今転職する際にメリットとデメリットのどちらが上回るかについてよくよく考える必要があるのです。
→看護師の転職はメリット<デメリット?踏みとどまって考えるべき3つの視点
看護師としての一つの区切り
看護師の3~4年目というのは、一通りその病棟についての知識と経験値が蓄積して余裕が出てきます。
ここで頭をよぎるのが自分のキャリアについてです。
自分が所属している科をそのまま極めたい、もしくはその他の科をやってみたいと思ったり、救急や緩和、災害看護なんかに興味を持つ方もいるかもしれません。
その分野でも共通する基礎的な知識と経験を積んだあなたにはきっと自分の進むべき道がうっすらと見えてくるはずです。
もちろん区切りというのは看護の側面だけでなく、ライフプラン的な側面もあります。
生涯のパートナーとの結婚や他の職業への転職、親の介護などなど人生レベルで大きなイベントが待ち構えているのがこの時期です。
1~2年目でまだこれから先の自分の姿が想像できず、大きなライフイベントが起きていないのであれば、これからだんだんはっきりしてくる目標が現れるまでじっくりと待ってみても良いのかもしれません。
逆に3~4年目である程度自分のやりたい看護や大きなライフイベントが出現している方は思い切ってその道へ進む絶好の区切りとなるので、勇気をもって決断してみましょう。
転職をしたいけど次の病院を探すのがめんどくさい、勇気が出ないという看護師は非常に多いです。この事を考慮すると、このタイミングを逃さないことが重要になってくると言えますね
転職理由として最適
3~4年で奨学金を返済してからの転職は看護師の王道パターンの一つなので、転職先の病院や転職サイト・転職エージェントの方たちも熟知しています。
その為、転職理由の一つとして
「奨学金の返済が終わり、自分のやりたいことが見えてきたから」
というのが通用するのです。
もちろん、地元から出たかったから…とか、今の病院が辛かったから…という理由では通用しませんが、奨学金返済を機に何かに挑戦したいと思ったという強い意志は必ず相手の心に刺さります。
言い回しや話す姿勢を工夫し、奨学金返済のタイミングを自分の武器にしていきましょう。
それでも辞めたいあなたへ
そんなことは理屈ではわかってるけどどうしても辞めたい!
今の職場の労働環境や人間関係が悪すぎでそう思う人もいると思います。
そんな方には以下の3点の準備をしておくことで、奨学金完済前に辞めた際のデメリットを最小限に抑えることができます。
- 辞める時期を3月末にする
- 前もって奨学金返済用の貯金をしておく
- 毎月返済できるだけの金額を自力で稼げるようになる
全て今日、今から始められるものばかりなので、仮に辞める気がなくても、奨学金を借りている看護師の皆さんは実践してみて下さい!
辞める時期を3月末にする
奨学金完済前にどうしても辞めたいという方は、早めに辞める決断をして3月末に退職しましょう!
その理由は単純で、1年働き切ればその分の奨学金は返済とみなされ支払いの義務から解放されるからです。
年度の途中で辞めてしまい、それまでの労働が無駄になってしまった…
という事態を避けるためにも、計画的に年度末で辞めるようにしましょう!
奨学金の返済はしなければいけませんが、最小限に抑えることができます!
前もって奨学金返済用の貯金をしておく
返済の義務が出てくるという事を事前に知っているのであれば、その返済に向けて貯金をしておきましょう。
私たちは「転職貯金」と呼んでいるのですが、この貯金を事前に用意しておくことでいつでも辞められる心の準備ができるので、逆に気軽になり奨学金完済まで働けちゃうなんてこともあります。
辞めても辞めなくてもプラスになる転職貯金は、全看護師におすすめしていきたいです!
転職貯金は本当に有能!
お金の余裕はもちろんの事、心の余裕も生まれます
毎月返済できるだけの金額を自分で稼げるようになる
退職後には一括、もしくは分割での奨学金の返済が待っています。
転職貯金をためていれば問題ないですが、
- 期間が短くて大きな金額にならない
- 引っ越しの費用も考えると現実的ではない
- 貯金するのが苦手
などの理由で貯金ができない人もいるかと思います。
特に看護師は金銭感覚が少しずれている人が多いので貯金が下手な傾向にあります。
そんな私たち看護師におすすめなのは給料+aを稼ぐことです。
つまり副業をしましょうという事ですね。
現代社会では終身雇用ができない会社が多くなってきており、看護師も例外ではなくなってきています。
そのような背景から国も副業を推進しているほどです。
幸いなことに看護師という職業は、資格の優位性を利用すれば他の人よりも副業で成功しやすいです。
話し出すと長くなってしまうので下記の記事でその意味を確認してみて下さい。
まずは、奨学金を返済できるぐらいの金額を自分で稼いでみましょう!
→【月5万円の上乗せ】看護師が収入を増やすにはやっぱり在宅副業!
副業で副収入を得られるという事はあなたが思っている以上のインパクトがありますよ
まとめ
いかがでしたでしょうか。
看護師は奨学金を返済してから転職すべきかという疑問は多く聞かれ、看護師であればほとんどの人が通る道だと思います。
この問いに対する答えとして今回は、絶対に奨学金を返済してから転職した方がいいと断言させていただきました。
奨学金返済前の辞職や転職はそれなりのリスクを伴います。
逆に、返済後には大きな恩恵を受けることができます。
まさに月とすっぽん。
あなたはどちら側になりたいでしょうか?
これらの事実を知った上でも現状に耐え切れず辞めるという選択肢がなくならない方もいるでしょう。
そのような方に限らずですが、事前の準備をしておくことでリスクは最小限に抑えることができます。
そのための準備を今から始めましょう。
→【10年で1000万円】看護師は金銭感覚を戻すだけで簡単に貯金できる